DIARY−序章− 1-1

 

*暗がりの河川敷*

【ヒュオ〜(風の音)】

【音楽:切ない感じ】

憂斗01

001

「なぁ・・・。覚えてるか?俺たちが、これまで歩んできた道を・・・。」

戒斗01

002

「あぁ・・。覚えているよ。僕たちが、これまで歩んできた道を・・・。」

憂斗02/戒斗02

003

「「そして、共に過ごした日々を・・・。」」

戒斗03

004

「キミと過ごせた日々は、とても充実した毎日だったよ・・。」

憂斗03

005

「お前と過ごせた日々は、何よりもかけがえのない毎日だった・・・。」

戒斗04

006

「2人が別々の道を歩むことになっても、」

憂斗04

007

「目指す場所は同じだと信じていた・・・。」

戒斗05

008

「それでも、訪れてしまうのが別れというもの・・・。」

憂斗05

009

「そう・・・。それは絶対に抗えない出来事・・・。」

戒斗06

010

「いくら、再会の約束をしたところで、本当に出会えるかは・・・。」

憂斗06/戒斗07

011

「そう・・・。だからこそ、離れ離れになるのが怖いんだ・・・。」

憂斗07

012

「でも・・・。それでも・・・。俺たちは明日を迎えなければならない・・・。」

戒斗08

013

「そう・・・。それが避けえない最悪の日だと分かっていたとしても・・・。」

憂斗08

014

「そろそろ、夜が明ける・・・。大事な人たちに挨拶を済ませなければ・・・。」

戒斗09

015

「そうだね・・・。彼女たちがいなければ、今の僕らはきっといないだろうからね・・・。」

憂斗09

016

「・・・辛いか?」

戒斗10

017

「・・・ボクだけじゃないだろ?」

憂斗10

018

「ふぅ・・・そうだな・・・。」

戒斗11

019

「そんなに気を使わなくてもいいよ。ボクなら大丈夫だから。」

憂斗11

020

「そうか・・・。悪いな・・・。心配しすぎたみたい・・だな・・・。」

戒斗12

021

「さぁ、行こうか?時間は限られているんだ・・・。」

憂斗12

022

「あぁ・・・。遅刻すんなよ?」

戒斗13

023

「・・・キミこそ。」

憂斗13

024

「それじゃあ、また後でな・・・。」

戒斗14

025

「うん・・・。また後で・・・。」

【芝を踏む音】

AM600-side 憂斗-

憂斗14

026

「さてと・・・。まずは笑美のもとへ向かおうか・・・なつかしいな・・・。笑美と出会ってから、もう3年も経つのか・・・。」

*回想*

【音楽:明るい感じ】

憂斗15

027

(あれは、そう。高校の入学式の日。HRが終わったあと友達がいなくて緊張してて、もう逃げ出したくなるようなそんな時・・・。)

笑美01

028

「どうしたの?・・・おなか痛いの?」

憂斗16

029

「・・・え?」

憂斗17

030

(彼女は、俺の顔を覗き込むように、心配そうに見つめていた。)

笑美02

031

「ん?でも、顔色は・・そんなに悪くないみたいね?」

憂斗18

032

「あっ、あの・・・。大丈夫だから・・・。具合が悪いとかじゃないから。」

笑美03

033

「そうなの?ホントに大丈夫ならいいんだけど・・・。って、キミ新入生?」

憂斗19

034

「・・・う、うん。」

笑美04

035

「そっか〜。うん。そういうことね!」

【ヒラメキ音?】

憂斗20

036

(彼女はなぜか、一人で納得してしまっている。)

笑美05

037

「うんうん。そういうことなら仕方ないね!よし!じゃあ、お姉さんが校内を案内してあげるね?」

憂斗21

038

(彼女は屈託なく笑うと、俺の手を掴んで・・・。)

【ギュッ(服を掴む音)】

笑美06

039

「ほら、行こう!新入生君、キミ名前は?」

憂斗22

040

(彼女の笑顔があまりに眩しくて、一瞬世界が白くなって・・・。俺は言われるがままに・・・。)

憂斗23

041

「憂斗。憂いに斗で、憂斗。先輩・・・、先輩は?」

笑美07

042

「私は、笑いが美しいで笑美。よろしくね、憂斗君♪」

憂斗24

043

「こちらこそ。笑美先輩。で、あの、手離してもらえませんか?」

笑美08

044

「へ?あぁ・・・。う〜ん、どうしよっかな〜?」

【キュピーン音?】

憂斗25

045

(心なしか、さっきまでの笑顔とは違う属性の笑顔が・・・。なんか、キュピーンって目が光った気も・・・。)

笑美09

046

「う〜ん。そうね〜・・・。まぁ、結論から言うと・・・。」

憂斗26

047

「はい・・・。」

笑美10

048

「嫌!!!」

【ブブッー(ハズレ音?)】

憂斗27

049

「・・・。あの・・・?」

笑美11

050

「だって、キミこのまま手離したら、逃げそうなんだもん・・・。」

憂斗28

051

「いや、高校生にもなってそんなことしませんよ?」

笑美12

052

「・・・ホント?」

憂斗29

053

「ホントです。ホント!」

笑美13

054

「う〜、・・・じゃあ、わかった。こうしましょう?」

笑美14

055

「手を離してあげるから、その代わり・・・。」

憂斗30

056

「その代わり?」

憂斗31

057

(正直全然いい予感しなかったね・・・。)

笑美15

058

「キミこれから生徒会に入りなさい。決定ね?」

【ポン(ハテナ音?)】

憂斗32

059

「は?えっ、生徒会?」

笑美16

060

「うん、そう生徒会。」

憂斗33

061

「いや、まったくもって、意味がわかんないんですけど?」

笑美17

062

「へ?あぁ〜、そっか。うん、じゃあ歩きながら説明するから着いてきて?」

憂斗34

063

(というか、着いてきて?って、もう入ること前提で話が進んでるような・・・。)

憂斗35

064

「・・・あの?普通いきなり、新入生とかって入れないんじゃ?」

笑美18

065

「え?あぁ、普通はね。」

笑美19

066

「でも安心しなさい!この学校のシステムでは、生徒会の幹部3人以上もしくは、生徒会長か副生徒会長の推薦があれば誰でも生徒会に入れるのよ!」

【ドドーン】

憂斗36

067

「・・・と言うことは、もしかして・・・。」

笑美20

068

「そう、私はなんと・現生徒会副会長なのです!!!」

憂斗37

069

(なんだって〜〜〜〜!!!!!=心の中で声にならない叫び)

【びっくり音】

笑美21

070

「ふふんっ!どう?まいったかしら?」

憂斗38

071

「・・・えぇ。勝負なんてしてないはずなのに・・・何かボロ負けした気分ですよ・・・。」

笑美22

072

「そうでしょう、そうでしょう♪」

憂斗39

073

(ははっ・・・。もう流れに身を任せるしかないかな・・・。)

笑美23

074

「さてと・・・。それじゃあ、さっそく行きましょうか!」

憂斗40

075

「・・・はい。もうどうでもいいです・・・。」

笑美24

076

「新入生君、もとい憂斗君。どうしてそんなにうつむいてるのまた具合悪くなった?」

憂斗41

077

「えぇ、まぁ・・・。別の意味で頭痛がしてきましたよ・・・。」

笑美25

078

「ホントに!?大丈夫?てか・・・、別の意味?・・・なんのこと?」

憂斗42

079

「いや、気にしなくていいです・・・。もうあきらめましたから・・・。」

笑美26

080

「そう?なら、いいんだけど・・・。」

笑美27

081

「まぁ、とにかく!生徒会の役員になってくれるんだよね?ね?」

憂斗43

082

(正面から真っ直ぐに、眩しいほどの笑顔に見つめられて、俺は・・・)

憂斗44

083

(自分の中で何かが変わる、いや・・・、彼女と共に過ごしたい・・・そう感じ始めていた。だから・・・、)

憂斗45

084

「はい。これからよろしくお願いします、笑美先輩。」

笑美28

085

「こちらこそ。よろしくね、憂斗君♪」

笑美29

086

「副会長として、歓迎するね!」

憂斗46

087

「ありがとうございます。」

笑美30

088

「よし!じゃあ、さっそく皆に紹介しないと・・・。」

笑美31

089

「憂斗君。急ぐよ!!!」

憂斗47

090

「はい、先輩!」

【ザッザッザッ!(走ってく音[])】

憂斗48

091

(これが、俺の運命を大きく変えることとなった出来事・・・。)

憂斗49

092

(そう。そして・・・。)