DIARY−序章− 1-2
*AM6:00*-side 戒斗- |
戒斗15 |
001 |
「憂斗は、きっとあの人の所にむかったんだろうな・・・。彼にとって、別な意味で大切な人だからね・・・。」 |
戒斗16 |
002 |
「さて・・・。ボクは、ボクの大切な人に会いにいかないと・・・。」 |
【間】 |
戒斗17 |
003 |
「飛鳥。彼女との出会いから、もう3年か・・・。なつかしいな・・・。」 |
*回想* |
【音楽:ノリの良い感じ】 |
戒斗18 |
004 |
(高校の入学式の日。ボクは周囲の人間を遠ざけるように、無言を呈していた。) |
戒斗19 |
005 |
(そうすることによって、自然と壁ができて皆よってこなくなるからね・・・。) |
戒斗20 |
006 |
(入学式が始まる前から、人を遠ざけることにしたのにも関わらず、一人の少女だけ、しつようにボクに話しかけてきた。) |
飛鳥01 |
007 |
「ねぇ、キミさ。なんで誰ともしゃべんないの?」 |
飛鳥02 |
008 |
「もしかして、・・・緊張してんの?」 |
飛鳥03 |
009 |
「アタシもさ〜、知ってる人誰も居なくてさ・・・。退屈なの。」 |
飛鳥04 |
010 |
「んで。キミは私の隣の席。ということは必然的に、私の話相手に決定!!!」 |
飛鳥05 |
011 |
「ちなみに拒否権はないからね。キミが話に付き合わなくても、アタシ一人で勝手に喋るから。」 |
戒斗21 |
012 |
(ボクは、一人で喋る彼女に無視を決め込んでいた。) |
飛鳥06 |
013 |
「・・・でね。私は思ったわけなの!」 |
飛鳥07 |
014 |
「やっぱり、これからは萌えなんだな!って・・・。」 |
戒斗22 |
015 |
(なんか、話が急に変わった気が・・・?) |
飛鳥08 |
016 |
「オーバーニーの絶対領域とか、もう萌え死にしそうな感じで・・・。」 |
飛鳥09 |
017 |
「お帰りなさいませ、ご主人様♪なんてメイド服で言われたら、三倍以上の効果が生まれて・・・。」 |
戒斗23 |
018 |
(無視だ、無視・・・。なにがあろうと、関わったら負けだ・・・。) |
飛鳥10 |
019 |
「でもね・・・。ぐすっ・・・。ひっく・・・。」 |
戒斗24 |
020 |
(・・・。えっと、展開が読めないんだが・・・?) |
戒斗25 |
021 |
(今までの話のどこに、泣くところがあった?なかったよな?) |
飛鳥11 |
022 |
「ひっく・・・。うっ・・・。・・・。」 |
戒斗26 |
023 |
(はぁ〜・・・。もう、しょうがない・・・のか?) |
戒斗27 |
024 |
「・・・。えっと・・・?大丈夫?」 |
戒斗28 |
025 |
(心配になって彼女の顔を覗き込むと・・・、) |
飛鳥12 |
026 |
「・・・ふっ。ふふっ・・・。引っかかったわね!」 |
【ドーン!(椅子の倒れる音)】 |
戒斗29 |
027 |
(最悪なことに、勝ち誇った笑みを浮かべていた。) |
【がっかり音?】 |
飛鳥13 |
028 |
「ふんっ。所詮は貴方もまだまだ子供ということよ、少年!」 |
飛鳥14 |
029 |
「己の信念を貫き通すことができずに、なにが大人か!!!」 |
戒斗30 |
030 |
「はぁ〜、そうだね。根負け・・・というか、卑怯な手だよね?」 |
戒斗31 |
031 |
「いくらボクでも、泣いている女の子を無視することはできないよ・・・。」 |
飛鳥15 |
032 |
「それに関しては、ゴメンなさい。素直に謝る。でも、こうでもしないと、キミの声が聞けないかな?って思ったから・・・。」 |
戒斗32 |
033 |
「・・・。まぁ、いいや。お互い様ってことにするよ。で?」 |
飛鳥16 |
034 |
「で?って?」 |
戒斗33 |
035 |
「いや・・・。キミ、嘘泣きまでして、ボクに声をかけさせておいて、何も用がないとでも?」 |
飛鳥17 |
036 |
「うん。ないよ。」 |
【音楽以外数秒停止:間】 |
戒斗34 |
037 |
「・・・。キミって人は・・・。いや、キミなんかと会話してしまった、ボク自身を恥じよう・・・。」 |
飛鳥18 |
038 |
「なんか、アタシ馬鹿にされてない?」 |
戒斗35 |
039 |
「そんなことはありませんよ、マドモアゼル。貴女のような眉目秀麗なお嬢様には、なかなかお会いすることなど叶いませんよ。」 |
飛鳥19 |
040 |
「・・・ビモク?うん?褒められてるの、アタシ?」 |
戒斗36 |
041 |
「えぇ。これ異常ないほどの惨事を貴女には、遅らさせて板抱いておりますよ!」 |
【ドドーン】 |
飛鳥20 |
042 |
「ホント?なんか、字が違うような気がするんだけど?」 |
戒斗37 |
043 |
「字が違うって・・・、発音だけで判別するのは不可能でしょう?」 |
飛鳥21 |
044 |
「・・・、まぁそうなんだけど・・・。」 |
戒斗38 |
045 |
「良いじゃありませんか?こうして、ボクが貴女と会話しているのですから♪」 |
飛鳥22 |
046 |
「・・う、うん・・・。」 |
【ガタガタッ(机をゆらす音)】 |
戒斗39 |
047 |
(そう言って顔を見つめると、彼女はうつむいて顔を赤らめた・・・。) |
戒斗40 |
048 |
「・・・と、そういえば。まだお名前をお聞きしていませんでしたよね?」 |
飛鳥23 |
049 |
「・・・自己紹介聞いてなかったの?」 |
飛鳥24 |
050 |
「私、一番大きな声で、一番長く喋ってたのに!!!しかも、隣で!!!」 |
【ガンガン(机をたたく音)】 |
戒斗41 |
051 |
「はい。興味なかったので。」 |
【スパンッ(刃物で切ったような音)】 |
飛鳥25 |
052 |
「あっさり言うね・・・。興味なかった・・・か!この変人が!!!」 |
戒斗42 |
053 |
「はい、その通りですよ。」 |
飛鳥26 |
054 |
「・・・?この変人!!!」 |
戒斗43 |
055 |
「はい、そうですね。変人のあなたにとって、普通の人間こそ変人ですもんね?」 |
飛鳥27 |
056 |
「んなわけあるかぁ〜!!!」 |
飛鳥28 |
057 |
「なんなのアンタ!?喋りだすと最低の人間ね!!!」 |
【ガツン(椅子を蹴る音)】 |
戒斗44 |
058 |
「無理やり喋らせたのは、貴女じゃないですか?」 |
飛鳥 |
059 |
「そりゃ、そうなんだけど・・・。」 |
戒斗45 |
060 |
「まったく・・・。少しは反省したらどうですか?」 |
飛鳥 |
061 |
「はい。すいませんでした。」 |
戒斗46 |
062 |
「じゃあ、もう次から遅刻するなよ?」 |
飛鳥 |
063 |
「はい・・・。二度としませんって、おい!なんだこのショートコントは!?」 |
【ドカンッ(机を倒す音)】 |
戒斗47 |
064 |
「女の子がそんなはしたない言葉使ってはいけません。メッです。」 |
飛鳥 |
065 |
「馬鹿にしすぎだろ・・・。この冷血漢!!!ちなみにアタシは飛鳥!!!」 |
戒斗48 |
066 |
「おぉっ!よく冷血漢なんて出てきたね!偉いな〜。いい子いい子してあげるね、飛鳥たん。」 |
【なでなで】 |
飛鳥 |
067 |
「はぁ、もうどうでもいい感じがしてきた・・・。」 |
飛鳥 |
068 |
「ところで戒斗、アンタまだ帰んないの?」 |
戒斗49 |
069 |
「ん?あぁ・・・。そうだね・・・。ん〜、ちょっと校内を散策してからにするよ。」 |
飛鳥 |
070 |
「散策?・・・ん〜、分かった・・・。」 |
飛鳥 |
071 |
「じゃあ、アタシは帰るから。じゃあね!」 |
【ガラガラガラッ!ガラガラガラッピシャッ!(扉の開閉)】 |
戒斗50 |
072 |
(飛鳥は軽く手を振ると教室を出て行った。) |
戒斗51 |
073 |
「さて、ボクも行くとするかな?」 |
戒斗52 |
074 |
(ボクもまた、教室を後にした・・・。) |