DIARY−序章− 2-2



*回想*-side 戒斗-

【音楽:ぽわぽわした感じ】

【カツカツ(廊下を歩く音)】

戒斗53

001

「さてと・・・。どうしたものか・・・。」

戒斗54

002

「散策するとは言ったものの、どこをどうまわっていいものやら?」

【ヒラメキ音】

戒斗55

003

「よし!とりあえず、なんとなく体育館らへんに行こう!なんとなく・・・。」

*体育館らへん*

戒斗56

004

「というわけで、体育館を目指したわけだが・・・?」

戒斗57

005

「なんなんでしょうね・・・。このあからさまなパターンは・・・。」

【若干遠め〜徐々に近づいていく感じ】

不良01

006

「おい!テメェっ!!!俺様の大事な学ランに泥つけてくれるとはいい度胸だな!?」

春奈01

007

「ふぇっ?ハルナそんなことしてませんよ?」

不良02

008

「しらばっくれてんじゃねぇよ!!!このアマ!!!」

春奈02

009

「???なにを言いたいのかが良くわかんないです?」

不良03

010

「・・・。テメェ・・・。俺様をなめるのも大概にしろやぁっ!!!」

春奈03

011

「あんまり難しい言葉使わないで欲しいです。ハルナあまり頭良くないです・・・。」

不良04

012

「このガキ・・・。はぁ〜・・・。なんかアホらしくなってきた・・・。」

春奈04

013

「おぉ〜!!!なるほど。今のはわかりました。あなたはアホなのですね!」

不良05

014

「テメェ!!!神経逆撫でするの上手すぎだろっ!!!」

春奈05

015

「はい?だって御自分でおっしゃったじゃないですか?」

不良06

016

「くっ・・・。もういい・・・。テメェみたいなの相手した俺が・・・」

春奈06

017

「アホだった?」

不良07

018

「そうアホだった・・・。ってテメェ!!!」

春奈07

019

「だだって、ご自分でおっしゃったんじゃないですかぁ〜・・・。」

【ザッザッ(砂地を歩く音)】

戒斗58

020

「・・・。あの?」

不良08

021

「あん?なんだ、テメェは?」

戒斗59

022

「もうその辺にしといた方がよろしいのでは?」

不良09

023

「テメェには関係ねぇだろうが!?」

戒斗60

024

「まぁ、そうなんですけどね・・・。」

戒斗61

025

(というか面倒ごとになんで首突っ込んじゃったんでしょう?)

戒斗62

026

(普段のボクなら確実に無視するとこなんですが・・・。)

不良10

027

「あれか?テメェも俺様をなめてんのか?あ?」

戒斗63

028

「いえいえ。そんなことはありませんけど・・・?」

戒斗64

029

「ただ、ご自分を“俺様”と呼んでいる時点で大した人間ではないと思ってはいますけど?」

不良11

030

「おまっ・・・!くっ・・・。このガキッ!」

【グイッ(服を掴む音)】

戒斗65

031

(不良と思わしき人物が胸倉を掴んできた。すると・・・。)

春奈08

032

「ケンカはやめてください!!!」

春奈09

033

「ケンカはやめてくださいなのです!!!」

【音楽以外数秒停止:間】

【カラスの鳴き声】

戒斗66

034

「・・・。二回繰り返した・・・。」

不良12

035

「あぁ・・・。しかも語尾が変わってやがる・・・。」

春奈10

036

「ハルナのせいでケンカなんてしないで欲しいのです!」

春奈11

037

ハルナが悪いのでしたら、謝りますから・・・。」

戒斗67

038

「・・・どうします?」

不良13

039

「・・・そうだな?なんかどうでも良くなってきたな・・・。」

【服を離す音】

春奈12

040

「ゴメンナサイなのです!」

不良14

041

「いや。もういいって・・・。今後は気をつけろよ?」

春奈13

042

「はい。すいませんでした・・・。」

【ザッザッザッ(砂地を歩く音)】

戒斗68

043

(完全に毒気を抜かれ不良は去っていった。)

春奈14

044

「見ず知らずの方。貴方にもご迷惑をおかけしましたです。」

戒斗69

045

「いや、ボクは別に・・・。」

春奈15

046

「いえ、ハルナはアホな子なので周りの方をいつも巻き込んでしまうのです・・・。」

戒斗70

047

「そうなの?」

春奈16

048

「はい。何故かはわからないのですが、いつもトラブルの中心にハルナがいるのです!」

春奈17

049

「これはもう、学園七不思議に登録されてもいいぐらいの不思議さです!!!」

【ズドーン(爆発音)】

戒斗71

050

「そ、そうなんだ・・・。はぁ・・・。」

戒斗72

051

(なんか変なのと関わっちゃったかも・・・。)

春奈18

052

「えぇっと、見ず知らずの方?どうしたです?そんな遠い目をして?」

戒斗73

053

「あっ。う〜ん、まぁ、あれだね・・・。まぁ、なんでもないよ?」

戒斗74

054

「と、その前にその見ず知らずの人って呼び方やめてもらえる?」

春奈19

055

「すいません。お名前を知らなかったもので・・・。」

戒斗75

056

「いや。それは名乗らなかったボクも悪いから大丈夫。」

戒斗76

057

「ボクは戒斗。キミは春奈ちゃん?それとも春奈先輩?」

春奈20

058

「私は新入生なのですよ。だから春奈ちゃんでいいのです♪」

戒斗77

059

「そっか。じゃあ、ボクのことも戒斗君って呼んでいいからね?」

春奈21

060

「あなたも新入生だったですか!?」

春奈22

061

「じゃあ、これからよろしくなのです♪」

【キラキラキラリ〜ン(っぽい音)】

戒斗78

062

(彼女は微笑んだ。ただそれだけのことなのに・・・。)

戒斗79

063

(暖かな風が体を包み込み、鳥たちが歌うようにさえずり、ボクの心もまた晴れやかになっていく・・・。)

【ブワッ(風の巻き上がる音)】

戒斗80

064

(彼女の暖かさに、ボクは自分が変えられるのでは?と、思い始めていた。)