■ 『急展開ドラマ』 ロクデナシの親父編

【ザッザッザッ(歩く音)】

【カチャカチャ・・ガチャ(鍵を開け、ドアを開ける音)】

*自宅*

【音楽:アップテンポ】

快30「あぁ〜!!ハラ減った〜なぁ〜。もうそろそろ親父が帰ってくるはずだから、
待ってないといけないと思いつつも、手が伸びるのは、若さ故の過ちなのか・・・。
くぅっ・・・。人間の三大欲の一つに、 理性が敗れ去るのか!?」

【ポン(肩に手を置く音)】

【音楽変更:シリアス】

信01「・・・快。疲れてるんだな?
        父さん、いい病院知ってるんだけど、行ってみないか?うん?」(妙に優しく)

快31「お、親父!?いつのまに?」

快32「オレの背後をいともたやすくとるとは・・・。貴様、ニセモノだな!?正体を現せ!!」

信02「・・・快。母さんが出て行ったのは、父さんの責任だ。本当にスマナイ。(涙声)
     だが、お前がここまで追い詰めらているとは・・・。」

【涙をぬぐう音】

快33「オイ!!いい加減にしろよ、親父!!何マジモードで泣いてやがる!?」

【ガタン(椅子を倒す音)】
   
快34「これじゃ、オレが本当にヤバイ奴みたいじゃねぇか!?」

【ドンドン(テーブルをたたく音)】

信03「大丈夫だぞ、快。いつだって父さんは快の味方だぞ。」

信04「さっ、一緒に自首しに行こう? 何の罪だ?万引きか?恐喝か?
     まさか、女性を・・・?何てことだ・・・。」

信05「さぁ、行こうか?父さんも一緒に謝ってやるから。」

快35「話を聞け!!っつぅか、てめぇ息子を全然信じてねぇ!!」

快36「俺を勝手に犯罪者にしてんじゃねぇ!!もう、うぜぇからいい加減にしろ!!」

【ドドドーン】

【音楽変更:アップテンポ】

信06「ちっ。付き合い悪い愚息だな!!父さんションボリ・・・。」

【ガサゴソ(部屋の隅で丸くなる音?)】

快37「おい・・・。ハラ減ったから飯にしようぜ?てかハラ減ってないのか?」

【ダン(飛び跳ねる音)】

信07「減ってないわけがないだろ!?」

信08「正直、父さん的ハラ減り度MAXです!?だから晩飯です!?」

快38「大体は用意したけど?」(あきれ気味)

信09「用意しただと?(ドスを利かせて)こんなもの食えるか!」

【ガタガタ(テーブルをひっくり返そうとする音)】

快39「ハラ減ってんじゃねぇのか?」(怒りながら)

【ドゴッ(テーブルを押さえつける音)】

信10「てへっ。ちょっとしたジョークだよ?ジョーク。」(ここからは、アメリカンコメディーぽっく)

快40「そっか、ジョークかぁ〜。あははっ!(乾いた笑い)

信11「そうだぞ?ジョークだぞ?あははっ、あははっ・・・。」

快41「あははっ・・・、ってんなわけあるか!?」

【ドゴッ(顔面を殴打)】

信12「ぐはっ・・・。ド、ドメスティックバイオレンス?」

【ガガーン(ビックリ音)】

快42「ジョーク、つまりボケにツッコミを返しただけだ・・・。」

快43「ただ、まだ続けるなら、次は本気でヤルぞ?」(冷たく)

信13「・・・。それじゃあ、いただきま〜す!!」

信14「あっ、この味噌汁おいしい!!いや〜、快の手料理は本当においしいなぁ?」(白々しい演技)

【ズズッ(味噌汁をすする音)】

快44「それはインスタントだって知ってて言ってやがるな?」

快45「まぁ、いいや・・・。それよりもオレ結婚するから。」(さらっと)

信15「そっか〜。いいぞ。」(あっさり)

快46「あぁ、ありがとう。」

信16「って、ちょっと待った。父さん今、問題発言をあっさり流した?」

快47「いや?」

信17「お前結婚するって言わなかった?」

快48「言った。」

信18「やっぱ、流してるジャン!?【ガガーン】つぅか、どういうこと?」

快49「色々〜、はなくて。まぁ、プロポーズしたらOKもらった。」

信19「??まぁ、とりあえずお前は学生なんだぞ、快?これからどう養っていくつもりだ?」

信20「父さんは、過去に過ちを犯しているから、
     お前にはそうなって欲しくはないんだ・・・。」 (悲痛な感じ)

快50「母さんとのことを、過ちなんて言うんじゃねぇよ!!」

【ドン(テーブルを叩く音)】

信21「違うんだ、快。母さんとのことじゃない。
     父さんと母さんは、好きで結婚したわけじゃないんだ・・・。」

快51「えっ!?」

【音楽変更:シリアス】

信22「父さんにも母さんにも、別に好きな相手が、恋人がいたんだ・・・。だが親の力に負けて・・・。」

信24「それでも父さんたちは密かに出会っていたんだ・・・。」

信25「そして、お前とは別の子を・・・。」

【雷の落ちる音】

快52「なっ・・・!?別の子!?そんな・・・。」

信26「な〜んちゃって、ていうのは冗談です・・・。すいません。
     だからその握ったコブシを下げてくれ。」

信27「まぁ、つまり。お前には腹違いの妹がいる・・・。そういうことだ・・・。」

快53「・・・で、母さんはそのことを知って出て行ったのか?」

信28「いや・・・。母さんは初めから知ってたよ・・・。」

快54「そうなのか・・・。じゃあ、母さんは何で?」

信29「決まっているだろう? 母さんの愛していた相手の所だ・・・。」

快55「わかってるんなら、連れてくるか謝るかしてくれよ!」

信30「お前も知っているだろう!?あいつがそんなことぐらいで許してくれるわけがないって・・・。」

快56「まぁ、そうなんだけど・・・。」

快57「って、ちょっと待て?許してくれるわけがない?」

信31「そうだぞ。昔から厳しい女だったからなぁ〜・・・。」

快58「いや、そうじゃなくて!アンタが悪いのか!?」

【音楽変更:アップテンポ】

信32「えっ・・・。あぁ、うん。そう・・なるかな?テヘ☆」

快59「死ね!!!」

【ドゴン】

信33「ゲフゥッ・・・。」

快60「次ふざけやがったたら、この10倍で殴るぞ?」

信34「すいません・・・。もうふざけません・・・。」

快61「で、アンタ何したの?」

信35「いや、なんというか・・・。その・・・。」

信36「好きな人が、出来ちゃった?みたいな・・・。」

快62「ほう・・・。それで、母さんと別れようと?」

信37「ううん。それは違うよ。てかもう離婚したしね。」

【音楽以外停止:間+カラスの鳴き声】

快63「えっ・・・。マジ?」

信38「うん、マジ。あれ、知らなかった?」

快64「知らなかったよ・・・。ただの家出かなって・・・。」

信39「まぁ、母さんはよく2ヶ月家出とかしてたからな〜。」

快65「それもそうなんだけど・・・。」

快66「アンタ俺に教えなかったろ?」

信40「うん♪てっきり教えてたと思ってた☆」

快67「逝け!!!」

【ズドン】

信41「ゴハァッ・・・。」

快68「はぁ・・・。もうなっちゃったものは仕方ないか・・・。」

快69「んで、アンタの好きな相手ってのは?」

信42「良く聞いてくれた!!!」

信43「もうすでに再婚を決めかけているんだ!!!」

快70「いや、早すぎだろ・・・。」

信44「なんというかな・・・。初めて見たときズババンと来たんだ?」

快71「わかんねぇ・・・。」

信45「そのとき思ったんだ。この人しかいない、と。」

快72「はぁ、なるほど・・・。」

信46「ただ年齢がな・・・。その、お前より・・下だったりして?」

快73「・・・。えっ・・・。えぇ〜!!!【ガガーン】」

信47「まぁ、年の差なんて愛の前では無力なものさ!?」

【ドドーン】

快74「いやいやいや。なんかもうほとんど犯罪のレベルじゃんか!」

信48「何を言う!!!私の愛の力があれば犯罪ではない!!!」

【ドーン】

快75「はぁ・・・。で、どれくらい付き合ってんの?」

信49「うむ・・・。それなんだが・・・。」

信50「実はまだ話しかけてない!」

快76「はぁ〜!?」

信51「なかなか話をするきっかけがなくてな・・・。
     遠くから写真を撮ったり、尾行をするぐらいしか・・・。」

快77「はぁ・・・。もっぺん逝っとけや!!!」

【ズドドン】

信52「ギャヒィッ!」

快78「てめぇ、再婚以前の問題っていうか、ただのストーカーじゃねぇか!?」

信53「失敬な!?まだ彼女の愛を確かめていない以上、私が犯罪者かどうかわからんじゃないか?」

快79「尾行してる時点で、すでに犯罪だっつぅの!!!」

信54「ぐぬぅ・・・。仕方ない・・・。父さんは寝る!」

信55「お休み!!!」

【ダダダッ】

【バタンッ(ドアの閉まる音)】

快80「はぁ・・・。なんか疲れた・・・。俺も寝よう・・・。」


【続く・・・】